受賞コメント
人比良様

作家賞、とても嬉しいです。ありがとうございます。
「生前葬という文字には、生と死が含まれてる」というところから始まり、二冊の対比にこだわりました。白い本が《死》で内容は暗く、黒い本が《生》で内容は明るい、という反転構造も含めて二対になった本で、頁数も同一にしたので並べるととても美しいところが気にいっています。表紙の隠し文字は、「ぎりぎり見える」というバランスを緑陽社さんにご協力頂き感謝しています。空圧しの版型を使い回すことでコスト調整しているのがなにげに製作ポイントです。
今後作りたい本
総集編四冊もそうですが、複数冊だして並べたときにコンセプトがはっきりするものを作るのが好みです。最近は文庫にはまってるので、次は本文色上質×色刷り×七冊組で虹色の表現とかやってみたいです。
審査員コメント

水引の上に“生”“死”の印刷、そしてタイトル文字全体は空押し加工という表紙はなによりもインパクト大。
よく見ると白表紙に赤色で“死”、黒表紙に銀で“生”という、色のイメージからは真逆となる文字を配置しているところもひとひねりされています。
そして表紙の背景文字は黒表紙が透明インク(メジューム)、白表紙がホワイトで印刷されています。同系色のインクやニスのみの印刷など、様々な印刷テストを経てちょうどよい塩梅の可読性の印刷となりました。
また、背景に書かれた文章も、白表紙には嫌悪が、黒表紙には好意が書かれているという、これまた白と黒のイメージを覆す文章となっており、更なるひねりが加えられています。
そもそも“生前葬”という言葉自体が大きな矛盾をはらんでおり、その矛盾を表紙全体で現しているというのは勘ぐりすぎでしょうか。シンプルでハイセンスな、それでいて一癖も二癖もある作品です。

●総集編四冊
「幻想で逢いましょう」(カバー色:白) 「女王の百年現葬」(カバー色:黒)
「スカイ・クロウ」(カバー色:青) 「紅白黒紫」(カバー色:赤)
満3年をかけて発行いただいた上記総集編群はカバー色で四季を表現されたとの事。
カバーへのトムソン加工や三色の箔押し、特殊紙への厚盛りニス、時計盤の箔など全て加工内容を変更しつつ、満三年をかけてコンセプトを完遂したその心意気は天晴です!



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