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表紙デザイン賞
「夢ならどうか覚めないで」
だぁ様[ドライフルーツ競奏曲]
仕様
Interview
今回のご本が生まれたきっかけは何でしょうか?
もともと先天性女体化受けアンソロジーを出したいと長年思っており、ちまちまと貯金をしていたのですが、いろいろなタイミングが重なって「出すなら今だ!」と動いたのが最初のきっかけです。今回活動したジャンルの雰囲気やこれまで仲良くしてくれた同じ性癖のフォロワーさんの数が増えていたことなど要因は多数あったのですが、初めてのアンソロジー主催のわりにほぼ直感で大ボリュームにやろう!と思い至ったあたり、のちの労力を考えるとだいぶキマっていたなと思います。頼りにできる人達の候補がすぐさま頭に浮かんだのも大きかったです。
使用された紙・加工と、特にこだわりを持った部分があれば教えてください。
<装丁のテーマ>
だいぶベタですが、《一生ものの宝物》です。
ジャンル内外越えた「先天性女体化が好きだ!」というメンバー17名で構成していたので、参加してよかった!と思ってもらえるような、誰が見ても一生ものの宝石になるような、そんなロマンティックでキラキラしていて愛らしい本になればと思いました。少女漫画的な世界観の作品が多数を占めていたため、全体的に淡いピンクを基調とした、夢を詰め込んだ可愛い本を目指しました。
全力投球かつ一世一代のアンソロジーということで、初めてプロのデザイナーさんに表紙デザインを依頼しました。できる限りロマンティックなデザインをイメージしてもらい、レトロ感と「アール・ヌーヴォー調」をモチーフにデザインして頂きました。原作は思いきり和の世界観のコンテンツではありますが、今回は少女漫画な作風の作品群であったことからあえて洋風のデザインで締めてもらいました。
<表紙について(紙/印刷/加工)>
装丁は中盤までかなり悩んだのですが、とにかく最大限豪華絢爛に!というコンセプトは決まっていたので今回緑陽社さんの「プレミアム箔押し×トポラスFセット」を利用しました。高精細の特殊箔押しが使用できるのと、空押しで本に立体感を出したいと思ったからです。トポラス紙というのも今回初めて知って、空気を含んだ柔らかな印象の紙という紹介を読んで本の雰囲気に合うのではと思いました。少し黄味がかったクリーム調の紙色であることも、レトロさが演出できてかなり良かったと思います。
地のデザインが固まりだした段階で、「プレミアム箔押し×トポラスFセット」を使いたいとデザイナーさんに伝えて、そこからどことどこの部分を箔にしたい、といった要望を伝えてデータを作成して頂きました。もともと「箔1種+空押し」のセットだったため、大部分を占めるベースの箔に、文字や細かい装飾用の箔を追加しました。箔の割合が多いことからこの2種の箔の色で本全体の雰囲気が決まると言っても過言ではなく、箔の色自体は入稿〆切ギリギリまで悩んでました。箔サンプルも取り寄せてデザイナーさんと検討した上で、最後の最後にライトマゼンダ箔と艶無し金箔で決定しました。


結果的になんかもうすごいことになりました。途中までもっと派手な色味をイメージしていたのですが、ライトマゼンダ箔が非常に魅力的だったことから色味は押さえつつ、優美で上品な見た目になればと思いました。箔と箔が隣り合わせなのも、印刷機の特性上どうしても際どい部分が多い旨は重々聞いていたのですが、デザイナーさんの素晴らしい腕のおかげで緻密なデータが出来上がり、誰が見てもワッ!と驚いてくれるような煌びやかな1冊になりました。緑陽社さんも本当にありがとうございました。
データ上では渋めで落ち着いた印象の色の組み合わせでしたが、実際手にしてみると盛大に艶々キラキラしていて本当にすごいと感動しました。実物を手にして初めてその凄さがわかるのも、箔押し本ならではで面白いなと思います。


こだわりというかお気に入りの部分は表紙4の空押しです!表4は箔1種にしていたので、真ん中部分が寂しいなと思いデザイナーさんに相談しました。結果的に参加者名が連なる無地の部分に可愛い空押しをつけて頂きました。キルティング風で乙女チックな演出ができたなと思います。デザイナーさんのアイデアのおかげで、トポラス紙の可愛さも十二分に出たと感じています。
<製本・その他>
よもやま話なのですが、ライトマゼンダ箔がどのような色味なのかどうしても実物を確認したくて、サンプルが付録になっている雑誌を探し回りました。かなり古いバックナンバーだったので見つけ出すのが大変で、一度通販で新品を購入したと思ったら箔サンプルを含んだ付録部分が根こそぎ切り取られたものが届きリアルに悲鳴が上がりました。その後、紆余曲折あってなんとか無事〆切前日に箔サンプルが手元に届き……。生きた心地がしませんでしたが、今となっては笑えてしまう情けない思い出です。みなさんも公式を騙った詐欺出品にはお気をつけください。悪鬼滅殺。
今回のご本はどのようなスケジュールで進められましたか?
3月 メンバー集め、スケジュール作成(原稿〆切と入稿日を予想で確定)
4月 デザイナーに初めて連絡、ロゴ+表紙デザイン依頼で先にロゴに着手してもらう
5月 参加者へ要項を送る、タイトルロゴ完成(広報にも使用)
9月 デザイナー連絡+表紙デザイン相談開始、イベント(広報チラシ配布)
10月上旬 原稿集め(自分は原稿中)、表紙イラストをデザイナーに送付、緑陽社に見積依頼(相談スタート)
11月 本文編集、表紙完成(先に入稿)
12月中旬 本文入稿
1月 イベント
表紙イラストを自分で描いたため、自分の本文原稿が後ろ倒しになったのがかなり大変でしたが楽しかったです!
今回のご本のような装丁で同人誌を作ってみたい!とお考えの方に向けてメッセージをお願いします。
やってみてわかったのですが、1年を切る日数でこの規模のアンソロジーを出すとなると、本当にお金とスケジュール管理が全てだなと思います。結果的にだいぶ詰め詰めのスケジュールではありましたが、意外と心の余裕自体はあって、そのおかげでめいいっぱいやりたいことを詰め込む事ができました。
それと、高精細箔押しに合わせてギリギリまで攻めたデータを作れたのは、プロのデザイナーさんに依頼したからこそだと思っています。緑陽社さんからの修正依頼がゼロだったことでつつがなく表紙入稿できたのは大きいです。
緑陽社さんにはマンツーマンで大変お世話になりました。細かい質問への回答や注意事項まで丁寧に教えていただいた上、レスポンスが非常に早くてこれが本当に助かりました。オンラインの相談窓口もあるそうなので、是非利用をおすすめしたい気持ちです。
最後にひとことお願いします!
本当にいろんな方に快諾の中手伝って頂いて、最高の1冊となりました。一生の思い出です。憧れの本フェチ大賞にまで載せて頂けて感謝しております。ありがとうございました!
Staff Comment
夢ならどうか覚めないで…それが美しい夢ならば、誰もがそう思うのではないでしょうか。
たとえば、今はもう会えない思い出の人が夢に出てきて笑いかけてくれたとき。
たとえば、自分の推す愛しい人が夢に出てきて問いかけてきたとき。
それが夢だと気付く前に夢から覚めてしまうことも、ままあることではないでしょうか。
こちらの作品は、執筆者様が作中でキャラクターに投影した数々の夢を、ずっと近くに置いておくことができます。
なぜならば、本という形になっているのですから。
今回お使いいただいた「プレミアム箔押し×トポラスFセット」のご提供を始めたのは2025年夏のことでした。
作家様によりますとデザインの検討を始められたのが同年9月とのことですので、公開してほどなく装丁ご検討の俎上に上げていただいたということになるでしょうか。
豪華な装丁の選択肢のひとつとして企画したセットは、まさにこちらの作品で使っていただくために公開を宿命づけられていたのではーーついそう思ってしまうタイミングでした。
表紙デザインはデータ上で一目拝見するだけで位置合わせが極めてシビアだとわかりました。
そこで、こちらのセットで提携させていただいているコスモテック様と細かく打ち合わせをさせていただきました。
また、表1・表4の広範囲に空押しがあり、製本時に不具合が生じるのではないかという不安もあったため、念のため製本スタッフに原寸サイズでプリントアウトした表紙デザインを見てもらい、製本に必要な表紙の枚数を調整を行っています。
表紙の印刷を終え、これだけで豪華なのではないか、さらにここに箔押し2種類と空押しが加わるのかと期待と緊張感を胸に抱きながら、表紙加工をコスモテック様に託しました。
コスモテック様から無事に表紙が戻ってきたとき、平和紙業様が企画された「トポラスF」の高い加工適性と、コスモテック様の匠の技術をあらためて強く印象づけられました。
そして仕上がった表紙デザインの魅力は、写真にあるとおりです。
「トポラスF×プレミアム箔押しセット」を緑陽社のnote記事で紹介したとき「宝箱のように豪華な表紙が実現できます」と記述しました。
実際に完成した表紙を見て、note記事を作成したスタッフは、宝箱のように豪華な表紙とはまさにこのことなのかと感じたそうです。
私たちは特殊装丁のセットやフェアを企画することはできても、実際に作品をデザインし、創作することはできません。
作品あってこその印刷・製本・特殊加工なのです。
企画スタッフが夢見た豪華装丁を実際の作品にする過程に携わらせていただき、ありがとうございました。
▼ 第15回 受賞作品 ▼





















