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  • 第14回本フェチ大賞 大賞「404小隊-総集編-残響共鳴」フジタ様[第2コンドル採掘場]

大賞
「404小隊-総集編-残響共鳴」
フジタ様[第2コンドル採掘場]

第14回大賞

あふれる臨場感!美麗なイラストとデザインを心ゆくまで堪能できる
短辺とじコデックス装の画集

仕様
【表紙】 用紙:ハイマッキンレーポスト 200kg + マットPP/印刷:4色フルカラー
加工:高精細箔押し(黒箔)
見返し タント 70kg N-58(ひまわり)
【本文】 用紙:ヴァンヌーボV-FS スノーホワイト/印刷:4色フルカラー
【製本】 コデックス装

Interview

フジタ様、今回のご本が生まれたきっかけは何でしょうか?

原作キャラクターの設定に「404」というキーワードがあり、今回でそのシリーズも4冊目になります。
ページ数もだいぶ増えてきたので、総集編を出すなら今しかないと思い、制作をスタートしました。

使用された紙・加工と、特にこだわりを持った部分があれば教えてください。

【装丁のテーマ/表紙について】
荒廃した原作の世界観を意識し、黒を基調にK100とリッチブラックを使い分け、部分的に箔押しを施すことで視覚的に際立たせました。

普段デザインを仕事にしていることもあり、他の作家さんから依頼される表紙デザインは、イラスト主体の「THE同人誌」といった雰囲気のものが多いのですが、自分の本では誰にも制約されることがないため、毎回デザインに振り切った実験的な試みにチャレンジしています。その流れで、今回は線画での箔押しを試してみることにしました。
完成した本の箔押しは非常に精度が高く、職人さんの技術に感謝の気持ちでいっぱいです。

【本文について】
原作の小隊名にちなんで「404」をキーワードに、ページ数も104ページに設定しました(さすがに404ページは無理でしたが)。本文用紙は標準紙でも問題なかったのですが、「やるからにはとことんこだわりたい」と思い、予算を度外視して、手触りや質感にこだわった厚めのヴァンヌーボを採用しました。

仕様については、見開きイラストを描くことが多いため、無線綴じではノドが隠れてしまい、中綴じではページ数に対応できませんでした。そうした制約の中で、以前から一度試してみたかったコデックス装を採用することができ、仕上がりにもとても満足しています。

【見返しと糸】
表紙が薄いとどうしても安っぽく見えてしまうため、厚めの紙を選び、さらに見返しを加えることで重厚感を持たせました。
見返しとコデックス装の綴じ糸の色もキャラクターのイメージカラーで統一し、世界観を壊さないよう細部まで配慮しています。
(今回は色校を出さなかったため、見返しや綴じ糸の黄色と本文中の黄色に差が出てしまい、その点は反省しています……色校大事。)

今回のご本はどのようなスケジュールで進められましたか?

当初は2023年の冬に発行する予定でしたが、問い合わせのタイミングが遅く、イベントには間に合わないと分かったので、スケジュールを見直し、2024年の夏に向けて準備を進めることにしました。
2023年10月末に見積もりを依頼し、11月には緑陽社さんへ直接足を運び、コデックス装の仕様や注意点を教えていただき、綴じ糸や見返しの色、本文用紙について細かく相談させていただきました。
仕様がかなり特殊だったため、コミケの当落が出る前に入稿しなければならず、内心かなりヒヤヒヤしました。
入稿後もデータの細かな粗を見つけてくださったり、「ここをこう直すと、もっときれいに仕上がりますよ」と丁寧にご提案いただいたりと、最後まで親身にご対応いただけたことに、心から感謝しています。

今回のご本のような装丁で同人誌を作ってみたい!とお考えの方に向けてメッセージをお願いします。

コデックス装は、見開きで何かを掲載する際に、断ち切りまで色を載せると背の部分にもその色が現れるため、色味を統一すると擬似的な小口染めのような効果が生まれ、美しく仕上がります。
自分の場合は見開きイラストだったため色味の統一はできませんでしたが、その無骨さをあえて世界観の一部として取り入れるか、あるいは別途カバーを用意するのも一つの方法だと思います。

最後にひとことお願いします!

台湾のとある同人誌でコデックス装(糸かがり綴じ)を知り、本フェチ大賞では「人生オワ太郎様 [偏差値3]」の作品に出会い、「自分もこんな本を作りたい!」という強い憧れを抱いたのがキッカケでした。まさか自分がその賞をいただけるとは思ってもおらず、驚きと感謝でいっぱいです。

打ち合わせの段階から入稿後のフォローまで、常に親身に寄り添ってくださった緑陽社様には本当に頭が上がりません。
素敵な本を形にしていただき、心から感謝しております。本当にほんとうにありがとうございました!

Staff Comment

このたびの受賞作品は、B5横とじで「コデックス装」をお使いになったイラスト集です。
表紙はシックな黒の印刷に、さらに深みのある黒箔でイラストが描かれています。
そして表紙をめくると、鮮やかなイエローの見返しが目にとびこみます。
本文のイラストにも、黒とイエローのテーマカラーがあしらわれ、見返しの紙色・コデックス装の糸の色・箔押しの色にその最も強い色を選ぶことで、装丁が作品全体を引き締め、一冊を通したテーマ性を感じさせます。

とあるスタッフは、「この画集のテーマからすると、この装丁でなければいけないのだ、という必然性を感じる」と述べておりました。

コデックス装は、折った本文を糸でかがり、背を糊で固める製本方法です。
背表紙があるはずのところに本文のノド側が露出し、糸でかがっている姿がそのまま見えるという、とても個性的な特徴があります。
このたびの受賞作品では、この特徴が目立つこともなく、作品のなかに溶けこみ一体化しています。
特筆すべきは、イラストの見やすさです。
コデックス装だからこそ実現したダイナミックな開きやすさ。
見開きいっぱいに配置されたイラストが、文字どおり視界全体に広がります。
イラストの魅力をこれでもかというほど堪能することができる贅沢。それは、この作品が電子媒体ではなく紙作品として、そしてこのサイズで展開されたからこそ味わうことができるのです。

コデックス装の宿命として、見開きの中央に糸が出てくるのですが、作品のテーマカラーと糸の色がリンクしていることで、左右への分断を感じさせることなく作品と一体化しています。

圧倒的存在感を感じさせる作品に「第14回本フェチ大賞」を贈らせていただきます。

 

▼ 第14回 受賞作品 ▼


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