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  • コミックルンバ四半世紀のご愛顧ありがとうございます!

「コミックルンバ」は1996年1月に発売が開始され、25年を超えました。

「コミックルンバ」って何?とお思いの方も多くいらっしゃるかもしれません。
緑陽社、ホープツーワン、サンライズパブリケーションの3社が取り扱うコミック用紙の名前です。

25周年のこの機に、同人誌印刷業界で多くの作家様に愛され続けている
オリジナル抄造(紙を製造)のコミック用紙「コミックルンバ」の歴史を振り返り、
3社が同人誌印刷会社として大切に守ってきたものを再考してみます。

コミックルンバ誕生のきっかけ

同人誌印刷用コミック紙 コミックルンバ

1995年頃当時、同人誌印刷業界では志や方向性を共にする同人誌専門印刷会社同士で
グループを組み、オリジナル本文用紙を抄造するのがトレンドでした。

東京の緑陽社・大阪のホープツーワンとサンライズパブリケーション・愛知の彩美印刷(営業終了)
の4社(以下ルンバグループと称します)も、各々でコミック用紙の必要性を感じ
市販品のラフ用紙を採用しつつもオリジナルコミック用紙の抄造を望んでおり意見が一致。
あるタイミングで集まり同人誌印刷専用コミック紙を共同で開発することになりました。

同人誌印刷の当時の時代背景

昔の同人誌印刷会社の印刷風景

まだ大半がアナログ原稿の時代で、1冊の同人誌の中でいろんな色紙を本文用紙に使ってみたり、
色インクや2色本文などを取り入れ、カラフルな装丁デザインで「豪華」な作品が多く見られました。
また嵩高紙(軽くて厚みのある紙)のOKいしかり、ラフ紙のハイバルギーなどを使用して、
厚みのある同人誌を作りたいとのニーズも高い時代でした。

こうした時代の中でわたしたちは、上質紙に近い価格でカラフルな本を作れる環境を
お客様に提供したいと思い、コミックルンバの開発に取り組みました。

しかしただの色付きの紙では夢がありません。
同人誌印刷専用用紙のコミックルンバの開発でルンバグループが
必須としてこだわった部分は主に次のようなことでした。

  • 手触りが柔らかくてコットンの風合いがある
  • 絵柄を邪魔しない優しい色合い
  • 裏透けしにくい
  • 本の価値を高める紙厚がある
  • トーンの再現力が優れている
  • ベタのノリが美しい
  • 紙剥けしにくい(表面強度の問題)
  • 紙粉が出にくい
  • 表裏差がほとんどない
紙剥け・・・
紙の表面強度が弱いと印刷時にインクの粘性にひっぱられて紙の表面が毛羽立ったり薄くめくれたりします。
ベタの多い同人誌印刷では自社で使う用紙選択時に気にかける項目です。
紙粉・・・紙を断裁すると粉末状の切りくずが発生して用紙に付着する場合があります。
この紙粉が多いと、印刷中に版や機械中に混入して、最終的には印刷仕上がりが悪くなってしまいます。
用紙によって紙粉の出やすい紙とそうでない紙がありますので、
同人誌印刷会社としても使用する用紙選定時にはこの部分は重視します。

表裏差・・・本文用紙にも実は裏・表があります。表面と裏面の見た目はあまり変わりませんが、
用紙によっては表面と裏面の刷り上がりが異なることがあり、ベタやアミの多い同人誌印刷では、
同じ調子で印刷できる用紙を使用しないと印刷品質にバラつきが出ます。

紙の抄造は国内最大手製紙メーカーの王子製紙で

同人誌印刷用紙

その後わたしたちルンバグループは幾度となく会合を重ね、試作に向き合っていきます。
ある時は当時生産機のあった王子製紙の宮崎県日南工場へ赴き、抄造の工程を視察しました。

そしてついに4社が思い描いたコミックルンバのホワイト、クリーム、ピンク、ブルーの4色(4/6判84kg(A判55kg))が完成し、1995年の晩秋に初回抄造ののち翌1996年1月よりグループ各社で発売を開始となりました。

その半年から1年後にグリーン、オレンジ、パープルの3色を増色しましたが、この3色は数年で生産は終了し今では幻の3色となっています。
また厚紙が好まれた時期にはホワイトの103kgも生産されました。

25年の年月を経て

同人誌印刷会社

現在もルンバグループでは各社主力の本文用紙としてコミックルンバを使用しています。
価格の色格差はなく柔らかい手触りと安定のインキのノリで、
かつ擦れにも強く裏移りしづらいので現場でも扱いやすく、短納期商品にも最適です。

「白」の色にこだわって開発したホワイトは、黄みや青み、黒みに偏ることなく優しい白で、柔らかい手触りのコミック用紙。
4/6判84kgながら上質110kg相当の厚みで、ページ数の少ない本でも薄さを感じさせません。
インキのりが良く、細い線もにじみなくシャープに再現できるため、日常上質紙を使用しているお客様にも必ず気に入っていただける自信作です。

クリームはA5サイズの小説本に使用されることが多い色です。
商業誌の単行本で使われるような柔らかい黄みで質の良さが際立ちます。上製本にもお勧めです。

ピンクは1枚1枚はその色が作品を邪魔することがない桜色ですが、全ページがピンクで作られるとその存在感が一気に増します。
「可愛い」「愛」「甘い」世界観の本に是非。

ブルーはさわやかな水色で、表紙のカラーリングや箔押しなどと合わせて装丁デザインしたくなる紙です。
夏には「海」「空」を連想し、冬には「氷」「雪」などがイメージされることからクールな作品に採用してみてはいかがでしょうか。

そしてこれからも ─────

世の中はデジタル化が進み、印刷物はなくなってしまうのでしょうか?

このメモリアルな機会にコミックルンバ誕生にまつわる記録を探しましたが、
各社にも紙卸商にも残念ながら殆ど何も残っていませんでした。
唯一見つかったのが、広告用冊子───

発売当時、各社が総力を挙げて宣伝すべく、お世話になっていた作家様方に
ご協力いただき制作した広告用冊子です。

懐かしい気持ちでページをめくると、25年も前に作られたその冊子は
令和のいま読み返しても圧倒されるほどに、紙と印刷を愛する熱気が伝わる渾身の作品でした。

これからもコミックルンバが多くの作家様の作品で本として残っていき、
また何十年も後に誰かがめくってみることで新鮮な感動で満たされるなら、
わたしたちは印刷会社として本望です。

今後ともコミックルンバ及びルンバグループをご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

 

 

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